PSYCHO-PASS
□記憶
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祭寺side
あれから人目を避けつつ家に帰宅
といっても、仮住居
槙島さんにも教えていない
あの学校からいつもの家に帰るには、左手の傷が目立つ
そんなことは絶対にあってはならない
ベッドに倒れ込む
近くの救急箱から包帯を取り出す
頭痛のせいで意識が朦朧とする
"しっかりしろ! 祭寺! "
『なにっ……ッ…!?』
赤い赤い目の前…
あれは…
「しっかりしろ! !お前が死んだら 」
死んだら…その続きを言おうとしたのは
公安局の執行官
執行官の血が俺についたのだ
それが赤い
傍観していたのか、加害者だったのかはわからない
視界の隅にうつる槙島さん
どういうこと?
つまり何
俺のせいで…
Pppppppp
電話…
『…はい』
《不知火くん、この前言っていたこと、どういうことなのか聞かせてほしいの。標本事件のこと 》
『……。…近くに狡噛慎也はいるかい』
《いるよ》
『代わってくれないかな』
小さな声で向こうから、狡噛さん、と聴こえた
《俺だ。》
狡噛慎也だ
『やぁ、久しぶり。…まず、君に謝らないといけないことがあるようなんだ』
《俺に?》
『…俺は、標本事件の被害者になりかけた』
《常守監視官に聞いている》
『そっか。…俺も今の今まで、覚えていなかったんだけど、頭をひどくぶつけて思い出したことがあってね』
《なんだ》
『…佐々山執行官の死についてね。』
《佐々山だと?!なんでお前が!》
『…謝りようがないよ。償いきれないさ。…彼は俺のせいで死んだ』
《お前のせい?…何故そう思う》
『俺が倒れてるとき、必死に呼びかけてくれた人が佐々山さんだった。…それで後ろに人が来てることに気づかなかった』
《後ろにいたのは誰だ。マキシマという男か》
『わからない。ただ、俺があそこにいなければ、彼は死ななかった。…それだけ。』
《…お前、今、サイコパス値は?》
『さぁ。ひと月前から測ってないな。…引きこもりなんでね。』
《今どこにいる》
『家にいるよ。』
《監視官は知ってるか》
『僕の家は誰も知らないさ。朱ちゃんによろしく伝えておいてよ…言っておくけどハッキングは無駄だよ』
《おい!待っ…》
電話をきる
もう限界だ…