学園アリス
□我
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祭寺はあの後、つい最近まで使っていた顔に戻り、
変わりなくすごしている
変わりがあるとすれば、記憶がないこと。
だから
「 祭寺先輩聞いてえな!!棗がひどいねん! 」
佐倉が話しかけたとき
『初めまして。君は?』
「あ…そやった…ウチは佐倉みかん言います!!」
『元気だねぇ。そっちは?』
「蛍と棗や!」
『棗くん?確かペルソナのよく言う人だね。』
「お前、ペルソナのことはなんで覚えてんだ」
棗が不機嫌そうに言う
『え?…えっと、え?…あ、わからない。……でも、先輩なのは覚えてる 』
「…どんな奴かは」
『日記見れば少しは分かるかもしれないけど、…』
前より、毒がない祭寺
『あ、でもね、でも、優しいの』
パラッ…
「「!!」」
祭寺の顔に亀裂が入った
「…なんでそう思う」
『だって、いつも助けてくれるから』
本人は気付いていない
自分の顔が壊れていることに
「何から助けるんだよ」
任務でなんてありえない
『僕のアリスからだよ!だからね、ペルソナはね、とても』
「何をしている 祭寺 」
ペルソナが現れた
カッ…!!
『!』
顔の半分が壊れた
そこから見える白い肌
「…まだ不十分か。」
パラパラ…
口元まで壊れ、紅い唇が見える
左目も見え、女性のように思えた
『…っ…ペルソナ…顔が…』
顔が…といい、ペルソナに抱きつく
ペルソナは嫌がることもなく、そのままにする
『ペルソナ…先輩…先輩…私の顔が…っ…』
「…いくぞ」
『先輩……先輩…』
祭寺とペルソナが去る
みかん達はそれを見る
「…なぁ、棗。先輩ってずっとあんなん繰り返してるん?」
みかんが悲しそうに言う
「三ヶ月後にはまた、苦しんで、また失うだけだろ」
「それじゃ折角仲良くなって、思い出作ってもなくなるなんて、かわいそうや思わんの!?」
「…。」