アイライロ
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美華「真由、一緒に帰ろ」
真由「・・・」
コクッ――
私の彼は酷く無口だ。
話すのが苦手って訳でも、恥ずかしがり屋って訳でも無い
――ただ、『めんどくさい』から。
美華「今日ね、お兄さんに会ったよ。すっごく疲れてたみたいだけど締切が近いのかな?」
真由「・・・」
美華「あ、そういえばね、私のお友達の千代ちゃんなんだけどね今日すっごく可愛い髪飾りつけてたんだ」
真由「・・・」
美華「あとね演劇部の遊ちゃんなんだけど、また女の子から告白されててね・・・でも、本人も嬉しそうだしアリなのかなって話を結月ちゃんとしたんだ」
真由「いい。」
美華「あ、・・・ゴメン、」
真由「・・・また、」
美華「え、あ、う、うん、またね!真由」
真由「・・・」
コクッ――
高校生の私と中学生の真由
私は学校が終わったら中学校まで迎えに行って、それから二人で帰る。
最初は真由と居れるだけで嬉しかった
面倒だからって無口だけど、時々してくれる相槌や帰り際に「またね」って一言と「好き」って言葉が私を幸せにしてくれた。
でも、
――いつからだろう真由からその言葉が聞けなくなったのは。
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『淋しいよ、真由』と今日も言えなかった言葉を一人噛み締めて歩く、とある夕方の出来事。
続く
。