恋の音色

□弱虫男の子
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「占い」

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――――――――

「今日の恋愛運一位は乙女座のあなた!ラッキーアイテムはジャージ。これを着てアクティビティーに運動してくださいね、特に気の弱い男の子!片思い、頑張れ!!」


・・・今日も朝からテレビで占いをしている。
別に信者とかじゃないので絶対なのだよ、みたいなものはない
それにいくら恋愛運が一位でも、片思い頑張れと応援されても―――

神様が味方してくれたとしても、僕の恋が叶うことは無い。

これだけ分かっていてもまだ好きだなんて、・・・本当にダメだな、僕って


恋雪「そういえば今日、体育の授業あったっけ、ジャージ忘れないように持っていかないと――」

『ラッキーアイテムはジャージ。これを着てアクティビティーに――・・・』

まぁ、たまたまだよね、どうせ。







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――――――――――――――

「よし、今日の体育は男子はバスケ。女子はバレーをするぞー」


恋雪「(バスケなんて、どこが楽しいんだろう。ただ疲れるだけなのに)」

森山「ゆきちゃーん!俺と組もうぜー」

恋雪「・・・」チラッ

森山「頼むからそのゴミ見るような目で見ないで。」

「もーまた恋雪くんからかってるのー?もー可哀想じゃん」

森山「ゆきちゃんは俺の彼女だからな!な?」

スタスタ――
恋雪「・・・」

森山「え、ちょ、ゆきちゃん!?」


これ以上構ってられるか。
というか、知るか。
僕が彼女にしたいのは・・・宇野さん、だけなんだ。
誰が好き好んで男なんかと――


「恋雪くん危ないいい!!!!」

恋雪「え、」



―――――バコーーーン!!!!!


なんか、丸いものが当たって、
・・・あれ、なんだっけ、あれ、えっと・・・


 そして、そのまま僕の意識は半強制的にシャットダウンしてしまった。









――――――――――
――――――――――――――――

恋雪「っ、・・・あ、れ、此処、」


美華「あ、恋雪くん大丈夫?」

森山「ゆきちゃん生きてる?」

恋雪「・・・」
 
宇野さん可愛いな、・・・あとなんでホモ男が横にいんだよ。
僕が目覚めるまで二人きりとか、二人きりとか・・・代われ。そのポジジョン


美華「恋雪くん?」

森山「なんでだろう。すげー寒気がする」

恋雪「あの、なんでお二人――」

美華「あぁ、私とね森山くん、保健委員だから、・・・そんなことより!どっか痛いところない?」

恋雪「・・・」
 宇野さんを見ていると心が痛いです。
って僕はポエマーか!

美華「恋雪くん、体育の授業中にボールがあたってそれで倒れちゃって皆心配してたんだよ」

恋雪「あぁどうりで頭がガンガンすると――」

美華「あと、これ!」

恋雪「・・・」
 気まずそうにしている宇野さんも可愛いな、

美華「これ、」

恋雪「それ、僕の眼鏡?」

美華「うん、衝撃で飛んでいったみたいなの」

恋雪「あ、ありがとう宇野さん」

美華「あ、う、ううん気にしないで!」

森山「ゆきちゃんってさ眼鏡ない方が可愛いのな」

恋雪「(本当に空気読んで下さい。というか可愛いとか言わないで下さい)」
 そして、そのまま保健室から出て行ってください。僕からの三つのお願いです。


美華「えぇーそんな事ない!恋雪くんは可愛いじゃなくてカッコイイだよ」

恋雪「え、」

美華「あ、ご、ゴメンいきなり。でもなんか眼鏡外した恋雪くんすっごく新鮮で、それにイケメンだし!うん、佐竹よりずっとカッコイイんだもん、びっくりしちゃった」

恋雪「・・・」

 あぁ、――やっぱり僕じゃダメだ。
いくらカッコイイと言われても、彼の名前がすぐに出るんだ
佐竹くんよりカッコイイ、つまり佐竹くんはカッコイイって言ってる事なんだよね。

ゴメンね宇野さん、僕は弱虫で根暗でネガティブで―――それでいてこんなにも嬉しい事を言ってくれてるはずなのに嫉妬しか感じない、ダメな人なんだ。



今日の恋愛運一位は乙女座・・・やっぱり占いなんて―――


森山「佐竹、佐竹、本当にお前は佐竹好きだな」

恋雪「(おい空気読め男。もう本当に帰れ)」

美華「ま、ノリはいい奴だしね!でも、恋愛対象じゃないよ。結婚とか絶対したくないタイプ。・・・どーせなら恋雪くんみたいな感じの人と結婚したいな、家庭を大事にしてくれそうだし」

恋雪「っ、」

美華「恋雪くん?」

恋雪「ぼ、僕は、家族を、好きな人を一番大切にします!」

美華「うん、やっぱり結婚するなら恋雪くんみたいな人がいいよねー」

森山「わかる。」


恋雪「(あ、明日も占い信じてみようかな、)」

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続く












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