恋の音色

□弱虫男の子
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「図書室」


その後なんなく授業を終えて、ようやく昼休み。
ご飯もそこそこに図書委員という事もあり図書室で本の整理をしていた


恋雪「・・・あった、」
 僕がずっと楽しみにしていた本の新刊。

悪の大王に囚われたお姫様をナイトが助けに行くという話だ。



僕もいつかは宇野さんを助けに行きたいな、

恋雪「ふふっ」クスッ――
 僕は弱虫ナイトだけど、きっとキミを助けるよ、・・・なんて

森山「雪ちゃん発見!」

恋雪「・・・森山、くん」
せっかく良いところだったのに、一気に現実に引き戻された気分だ。

森山「ん?なんだよ、その本」

恋雪「冒険ファンタジーのお話です。も、森山くんはあまり好まないと思うんですけど」

森山「へー雪ちゃんそんな本読むんだー、てっきり恋愛小説でも読んでると思ってたわ」


恋雪「・・・恋愛小説は、あ、あまり、好きじゃないです」

誰でもあんな風に恋愛ができて、幸せになれるなんて限らないから。

そりゃ、僕だって一度は夢を見ていたよ

でも、気づいたんだ、そんな恋愛ができるのはほんの一部の人だけだって。
きっと、佐竹くんみたいな人だったらできるんだろうな・・・。

僕はきっと影でひっそりと見守ってる通行人Aくらいがお似合いだよ、ね?


森山「――ちゃん、雪ちゃん?どしたの?急にボケっとしてさ」

恋雪「あ、すみません・・・ちょっと考え事してました」

森山「前から思ってたんだけど顔色もあんまりよくねーし、肌は本当雪みたいに白いし・・・大丈夫か?」



 異性は抜きにしてこういう風に自然に心配してくれる人は、きっとモテる男・・・なんだろうな。

恋雪「大丈夫です、ありがとうございます」
にこっ――

森山「やっぱ雪ちゃん女の子だわ!可愛い!癒されるし」



・・・前言撤回をさせてください。
こんな、僕には縁がないそういう系統の人はモテないです。

もし彼がモテるんなら、きっと僕だって、・・・あなたを振り向かせられるはずです!


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続く

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