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□鳴り響いた銃声は、
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とん、と軽い衝撃を与えながら私の後頭部に添えられた銃口は、金属特有の冷たさを私の頭に伝えていた。





「どういうつもり?」





「解ってた癖に随分白々しい事言うんだね。」





「なんのことかしら、」





銃口を突き付けられてなお冷静さを失わない私の声で紡がれた言葉に対して

彼は一度鼻で笑ってからまるでマジックの種明かしをする道化師のような声で答えた。





「動いたら、撃つよ。」





「動かなくても、でしょう、」





「よく解ってんじゃん、」






俺のコト、と言いながら彼が引き金を引いたのと、

私が身を翻したのはほぼ同時だった。





乾いた銃声、
地面と擦れるヒール、
腕を掠る銃弾、
地面に滴る血、





全てが一瞬の内の出来事。






「外れたわね、次は、私が撃つ番よ。」






「外れたんじゃない。外してあげたんだよ。
それに撃っても当てなきゃ意味が無い。」






血が滴る左腕を無視しながら右手で銃を持ちトリガーを外す。



目線を彼から外さないよう親指だけ動かしてトリガーを外す









眼が合って二人の口元が緩んだ刹那、






冷たい銃声が、ふたつ。

かさなる。












乾いたくちびるが垢く染まるのは、





きっと、













(ねぇ、そうでしょう?別所。)










》後書き

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