ShoRt DrEam

□熱く感じた
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「……っ!テメ…ェ!!!!!」




ドカッ……






横腹に走る鈍い衝撃。









いつもと変わらぬ喧嘩に明け暮れる日常。







その理由はさまざまで……




一年のクセに生意気だ……とか





俺の女を取った……とか。




俺ァ別に取った覚えなんざねェよ。




なんて言ったら、いきなり殴りかかってきやがる。




俺が何をした。





その噂は瞬く間に学校中に広がって、俺は勝手に不良というレッテルが貼られて、ろくな女も寄ってこねェ。






全く見放されたモンだ。







今日も三年の野郎と喧嘩し、ボロボロになった体を休めるために屋上へ行く。




俺の日課だ。





でもこのごろは空気がとても寒くなってきて、場所を変えようか…なんて考えている。





そして、そこでいつも考えるのは



″俺が学校に行く意味″



このごろはこうやって屋上で寝転がっている事が多いため、授業にもろくに出ていない。



じゃあ、学校なんざ行かなくたっていいじゃねェか。


働くのがかったるかったから……ってのがそもそもの理由なわけだし。



自主退でもすっかな……



今日もそんな事をぼーっと考えていた。




「……っ?!熱ッッ!!」



頬に感じる鋭い熱さ。


俺は柄にもなく声を上げた。


そして上を見上げた。


「えっ!そんな熱かった?!ごめんごめん。………でも心配したんだから。このごろ全然教室こないし、毎日喧嘩してる……って噂聞くし……でもこんなトコじゃ寒いでしょ?……だから……はい。ホットコーヒー。」




こんな優しさが…






いつもより、熱く感じた。













それは僕の体が冷え切っていたから。




それは僕の心が冷え切っていたから。






















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