ShoRt DrEam
□朝のひと時
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ほら、今日もやってきた。
通勤ラッシュの少し前、人がまだまだらの時間。
その人はやってくる。
左目に眼帯をしていて、いつもタバコのにおいをさせている。
私が乗った2つ後の駅から乗ってくるその人。
そしていつもどうり私の隣にたつ。
別にその人が好きなわけじゃない。
たしかにその人はきれいな顔をしている。
きっとモテるのだろう。
でも私はそんな顔重視じゃない。
ただ興味があるだけ。
見るからに高校生とは思えない色気をだすこの人に。
でもそんな興味をそそる人といられる時間はわずかな二駅分。
今日も終わりの時間が近づいてきた。
ふと、無意識に車内を見渡した。
すると………サラリーマン風の男に痴漢に遭っているOLが目に入ってきた。
他の人も気づいてはいるようだが、面倒にまきこまれたくないのか、見てみぬふり。
これじゃさすがにかわいそうだと思った私はそのOLの手を引っ張った。
それと同時に。
「オイッッ!!!テメェ何やってんだ!!!」
. .
あの人がサラリーマン風の人の手首を持った。