アイス×KAITO作品

□アイスとドーナツはなかなか合うと思う
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「なっ!?」

村田の動きが、一瞬鈍くなる。
その瞬間に、KAITOは地面を横に蹴り、彼の横をすり抜けていった。

その瞬間、彼は村田にニヤリと笑いかけた。

そのままKAITOはかけてゆく。

「アイスぅぅううう!!」

そして、彼に奪われた食料、もといアイスの積み上げに一人突っ込んだ。
そう、はなから真っ向勝負をする気はなかったのだ。

「! おいみんな、捕らえろ! KAITOを捕らえるんだ!」

慌てて村田が叫ぶ。
それと同時にKAITOも叫んだ。

「ミク!」
「了解、お兄ちゃん!」

KAITOの陣にいた緑の髪の少女は、側のロボットについているボタンを押した。
ポチリという効果音とともに、ロボットが何かを飛ばした。
村田の頭上を、色々な色の物体が飛んでゆく。

「グッ、爆発物か!? おいみんな、伏せ――…」

村田が呼びかけようとした、その瞬間、物体が開いた。
そしてパラシュートと化した。
ふわふわと揺れながら、ゆっくりと落ちてゆく。
飛行物体の先には…

…何やら愛らしい生き物。

「…ぬこ!?」
「名付けてぬこ爆弾!」

KAITOの側に舞い降りたぬこを抱きながら、KAITOは名付けた。
他にも沢山のぬこが空を漂っている。
今なら、確実にKAITOを捕まえられるだろう。
しかし、ぬこが舞っている。
いくらパラシュートをつけているとは言え、もし浮遊中にパラシュートが壊れたら、ぬこはひとたまりもない。
KAITO捕獲と指示を受けた者も、皆一瞬固まった。
そして、迷うこと十数秒。

「……ぬこを保護しろぉ!」
「怪我をさせるなぁ!」

彼らは目の前の小さな命を優先させた。
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