あっぷる 2次

□イベント
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こんな事になるなんて予想しなかった

嬉しいよ、嬉しいんだけど、スッゲー嬉しいんだけどね

あんまりやられると、自制が効かなくなってきちゃって…






○オレンジデー○



「おっはよ〜 朝ですよ〜竜君〜vv」

下から甘ったるい声がしてきた。毎日聞いてる声。

よく、声も似てるっていわれるけど、俺もあんな声してんのかな…。

「あっれー…竜ってば〜!!ご飯出来たよ〜」

「…あぁ、今行く〜……」

今週は萩の家事当番なので、俺は存分に寝た。

と言っても萩は家事全般がトコトン苦手なので、萩の作る朝食は、

「ご飯」と「前の日の夜に俺が作った味噌汁」「冷凍食品のおかず」になってしまうのだが……

でも、今日は授業シャッキリと起きてられそう。

って、ぼーっとしてちゃいけないんだけどね。



食事が終わり、支度をして玄関まで来た所で妙に甘ったるく話しかけて来た。

「ねぇねぇ竜〜。今日は帰って来るの遅いの?」

なんだこの、新婚夫婦みたいな会話…。

そんなことを思いながら俺は答えた。

「え?別に…今日はまだ部活も始まってないし、入学してからそんなに経ってないし。早いと思うけど…?」

「そー?んじゃぁ、早めに帰って来てね!」

へ?な、なんなんだよ…朝っぱらから。いつにも増してなんか嬉しそうなんですけど…。

思い当たる節が無い。いったいなんだっていうんですか!

「うん、別に今日は野暮用も予定も無いからね。」

「んじゃぁ、今日も浮気しないように行ってらっしゃ〜い♪」

…いつもながら、なんなんだよ…コノ決まり文句…。

それでもいつも気にかけてくれるのだと思うと、嬉しく思えてしまう自分が悔しい。

俺は自転車で駅へ、萩も違う駅へ自転車で向かった。

本当は同じ線からでもいけるんだけど、違う駅からの方が早く着くらしい。

走り出すなりアイツは楽しそうに口笛を吹いていた。

---イヤ〜な予感がしてならないんですけど。

そんな朝から今日が始まった。




帰って来た時に、美味しそうな料理の匂いがしてきた。

「ただいま〜…」

「おっ!!やっと帰ってきた〜 お帰り」

リビングに入るとまだエプロン姿の萩が居た。

いつもながらに可愛い…って何考えてんだぁ〜〜〜俺!!!

でも、萩は本当にそこら辺の女よりも全然可愛いし、綺麗だ。

似てる、そっくりだ、と言われても、自分も可愛いとは認めたくないけどね…。

「はい、プレゼント!!」

「へ?」

色々思考を回している時に喋ってきたので、素っ頓狂な声を上げてしまった。



「知ってる?余り知られてないけどね、今日はオレンジデーって言う日なんだよ。」

---4月14日の今日。バレンタインデー、ホワイト・デーに次ぐ今日。恋人達が愛を確かなものにする日。

「それでね、オレンジ色のプレゼントもするんだって!!だから、はいっコレ。」

「そうだったんだ…ごめん、俺知らなくてさ、何も用意してない…」

「全然いいよ、そんなの。その代わりね…」

「ん?」

「竜が欲しいな♪」

「あ゙ぁ?!」

…この子、ココまで計算済みかっ!!俺が知らないことを知っていて、それで教えずに…!!!

「まぁ、それは後でいいや。それより早く食べよーよ!!せっかく作ったのに冷めちゃう〜」

「……う、ん…」

まぁ、さっきの事の対策は後で練るとして…

俺は食卓に目を向けた。

「おぉ、すっご〜い!萩すっごい頑張ったじゃん!!普段料理しないのに……全部手作りしたの?」

「う〜ん、一部冷凍食品混じってるけど、かなり頑張ったよ!!」

「すごいすごい!すっごい美味しそう♪」

「へへっvv」

萩はあまり家事は得意ではない。

だから料理も得意では無く、出来ないに等しいが今日はレシピにかじりついて頑張ったらしい。

---って、アラ?

「なんで、ワインがテーブルに乗ってんの?」

「へ?記念日だから、少しくらいいいじゃんかw」

おいおいおい…俺まだ1回も呑んだこと無いよ。大丈夫かな…?てか、俺等まだ未成年だっつーの。

まぁ、たまにはいっか。(って、俺も甘いって)

「はいっカンパーイ!!」

「乾杯」

初めての酒。まずは一口ぐびっと…

って、うぉ…?!何だコレ…クラクラして来た…

もしかして、もう酔った?でも、なんかフワフワしてて気持ちいぃ〜…

「な、何?どうしたの竜!!」

「え〜?何って何がぁ〜」

呂律の回らない、舌足らずな声で答えた…。

---うぐっ、やばい。キたかも…






「えっ?!もしかして、もー酔った?」

「なんかフワフワ〜 お酒って美味しいんだねぇ」

「…俺が強いから、竜も強いかもって思ってたけど、竜は極端に弱かったんだね……」

「なぁ〜に萩ぅ〜さっきからゴチャゴチャと〜…っふぃ〜〜……」

潤んだ目で見られてドキッとした。

普段、あまり誘うような行動をしない為、余計に心臓の鼓動が早くなる。

こ、これ以上はまずい…耐えられん…っていうか、誘ってるそうにしか見えないんですが…

「あぁぁ〜!!そーだ!萩、プレゼント俺が欲しいっつってたよねぇ〜」

「え、あぁ、うん。言ったけど…」

「んじゃぁ、あげるぅ〜 ハイっ!!どーぞぉ〜」

そういって竜は、俺に抱きついてきた。

「え、ちょ、ちょっと竜!!本当に大丈夫?」

「好きなよーにしていーよ…」

動揺してる俺をよそに、甘い響きを持たせて言ってきた。

潤んだ瞳でフワっと微笑んで来た…貴方、何処でそんなの覚えてきたのですか!



「…んぐっ…?!」

イキナリ口を塞がれた。

酒が回っている竜の口内は熱い。それに反応して、俺の体も火照ってきた。

「はーやくぅーおれ、がまんできなくなっちゃったよー……」

そ、そんな泣きそうな顔で見上げないで〜!!

「わ、分かったから…。でも、ココじゃ腰痛くなっちゃうよ?ベット行こう?」

「やーだぁ!!もぉ我慢できないも〜ん」

「わ、わかったよ…」

俺は竜をせめてソファーでと思い、姫抱っこで移動させる。移動中、竜は俺の胸に頭を擦り寄せてきた。

「ん〜萩、すごいいいにおい……」

---もぉぉぉ〜!!だから、自制効かなくなっちゃうってば!!

普段甘えることのない分、甘えられると可愛くて可愛くて仕方が無くなる。



と、見惚れてソファーに竜を置いた時、俺の下半身に激しい刺激が走った。

「---っ!!?」

「あはは!!もうパンパンに勃ってるじゃんかぁーww」

「あ、ちょ、ちょぃとお待ちよ、竜君!!な、何してんの?!」

「えぇ?辛そーだから楽にしてあげようと思って…?」

そう言って、俺のズボンのチャックを下ろし始めて…

俺自身を取り出して、口に含み始めた。

「あっ…!!!なにやって…っ…」

普段竜はこんな事絶っっっ対やってくれないし、やらしてもくれない。なので俺は内心物凄く焦った。

い、いや嬉しいんだけど…嬉しいんだけどもね…でも……

「---っ」

「れぇ、きもひぃ?」

口にくわえながら、上目遣いで訊いてきた。ヤバイ。もうイきそう…限界点がいつもより全然早い……

「も、もー離して…おねがい……」

「ふぇ…?イき…そーらの?」

「う、ん。もうほんとヤバいから離し…て……つぅっ!!!」

「---っ!!」

俺は竜の口内で果ててしまった。竜は咽ている。



って、え?!

「…ゲホッ……ん゙っ…ゴホっ……っ…」

「りゅ、竜?!まさか飲んだの?!」

「ゔへ〜きぼぢわりぃ…」

「そ、そんなの飲んだら体に悪いよ!!(多分)」

「ゴホっ…別にいいよ…萩のだから……」

俺は竜の背中を擦りながら、竜の愛を感じた。

美味しくないはずなのに…俺のだから別にいいと言って…

心配したけど、嬉しくないはずが無い。

「しゅー…」

「--っ…ん?」

甘えた口調にドキっとしながらも、懸命に平静を装った。

「俺…スッゲーねみぃ…」

「え?竜、辛くないの?」

「なんか、萩のやってたら勃ってきちゃったけど、竜がイった時に一緒にイっちゃったから……」

恥ずかしいのか、顔を隠すように額を俺の胸に擦り付けてきた。

そして、俺の背中に手を回して、「おやすみぃ〜〜…」と言った。

本当はもっとしたかったけど、もう十分だった。

俺は竜の体を優しく包んで、「うん、お休み。」と言って額にキスを落とした。

酔いも回っていたせいで、竜はすぐに静かな寝息を立て始めた。

俺は竜の可愛くて仕方が無い、安心しきった寝顔と、嬉しい気持ちを存分に楽しんだ。






翌朝、俺は何故か萩に抱かれて寝ていた。しかもソファーの上で…。

あれ…?何で俺、こんな所で寝てんだ……?

でも、まだ4月の朝は少し肌寒い。

そんな時に、萩の体温が感じられて、とても暖かくて気持ちいい。

---って、お゙ぉぅぅぅ??!!あ、頭がいてぇ…ガンガンする…。なんか、気持ち悪いし…。

なんだ、なんだ、なんなんだ???



頭を抑えてジタバタしていると萩が目を覚ました。

「---おはよ〜ぅ…」

まだ、寝ぼけているらしい…。

「ねぇっ萩!!君、俺になんかしたの?!」

「へ?何頭押さえてんの?なに、頭痛いの?」

「何か知らないけど、起きたら頭痛いわ、気持ち悪いわ…てか、何で俺は萩に抱かれてソファーで寝てるのっ!」

「えぇ?!竜、昨日の事何にも覚えてないの?」

「き、昨日…?」

「そうだよ、オレンジデーだからっていってワイン飲んだでしょ?一杯しか飲んでないのに竜ったら酔っ払って…。それで…その…酔った勢いで竜は…」

---え、何?何なんなの?俺が何したって言うんだよ〜!!何にも覚えて無い…くっそ〜頭痛い〜…!!コレが二日酔いってヤツですか……?

「それで、酔った勢いで俺が何したって言うの。」

「えっ、覚えてないの、竜?!それで、プレゼント俺が竜が欲しいって言ったから、あげる〜って言ってきて…。誘ってきて…それで---」

「あ゙ぁ〜〜〜!!もういい!!なんとなく分かったから、もうそれ以上言わないで!!もう、最悪だあぁぁ!!!!!」

何か俺、もういろんな意味で泣きそう…



「……もう、絶対酒なんか飲まない………」

そう心に誓った俺だった。







※朝と翌日の1人称は竜で、竜
が酔っている間の1人称は
です。

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