キリリク

□猿は一体誰のモノ?!
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「お蘭…お蘭はおらぬか?!」



薄暗い深夜の城内、西洋風な置物がより一層不気味に映る。



「信長様…お呼びでございますか」



紫色の着物を身に纏い、目鼻立ちの整った顔だちの少年…森蘭丸がそこにいた。



「何か用…では無い…」



信長は瞳をカッと見開き、蘭丸を睨み付けた。



「解りません」



全く物怖じしない蘭丸に信長は大袈裟に溜め息を吐いた。



「ハァ…解らぬか、お蘭…我がうぬを呼ぶ時は大抵猿関係であろう…?」


(わかんねーよ…!!!)


蘭丸は思い切り拳を握り締めたが顔には出さない。



「では、信長様…秀吉様を呼んで参ります。」



「あ…ちょっと待て…お蘭、私が呼んでいたとは言うなよ!何かと理由付けて来ようとせんからな。」



(信長様…それ、嫌われてるんじゃ…)
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