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□時として残酷な…
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「茶々…これからよろしく頼むでな!」



貴方の第一印象?そんなモノは覚えていません…


いえ…もしかしたら無かったのかもしれませんね…



数少ない…織田の存続の為、私は道具でしか無かったのかもしれないのだから。



可哀相?…その感情は今の私には少々相応しくありませんわ…



だって、私は…貴方を愛してしまったから



「茶々、おみゃあ確か桜ん花が好きじゃったなぁ?」



突然現れ、唐突に話しを切り出され、私は少し驚いてしまいます。



いつも貴方はそうですわ…



風の様にやって来て…



嵐の様に去って行く…



「どうじゃ?茶々、今度花見に行かんか?」



ニコニコ笑って言う貴方様に、私は1度コクリと頷きました



桜…御花見…貴方と見る…只それだけで、私は…


「じゃ、明日…な!」



明日?…常日頃から、せっかちな所がある秀吉様とはいえ、こんな急に予定を…



私は何処か胸騒ぎを感じましたが、明日に備え、早く床に着きました。



翌日…私の貴方と2人で見ると夢見ていた御花見には、当然北の万処様も出席されていて…



それでも良いのです…貴方が側にいる事が、



私唯一の幸せ…



それから数ヶ月後の事でした…



貴方がこの世を去ったのは…



秀吉様…?



貴方様は私に聞きましたね…



桜が好きかと



私は…



貴方がいれば



何処でも幸せですわ…



たとえそれが…地獄であろうとも



それ程私は、貴方様に惹かれているのですわ…



そして、この戦国の世…


織田の為に無く、豊臣の存続、繁栄の為…



私は、首だけになろうとも、戦い続けるのです。


貴方様の為…




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