1059☆

□嗚呼、愛しい貴方…
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戦場…



瞳に映る全ての光景が



紅い…



炎…



血液…



断末魔…



眼を閉じたい…



見たくない…



「父…上…?」



眼の前には横たわる忠勝の姿…



「嘘…?」



忠勝の側に歩み寄り、その身体を抱き起こす



息の無い父を稲は抱き締めた



「い、や……いやあぁぁ!!」



気が触れた様に泣き叫ぶ稲の声が辺りに響き渡る


―ジャリ



そんな稲の後ろから地面を踏みしめる音がした…


それに気付いた稲はゆっくりと振り返る…
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