1059☆
□子供と書いて伊達と読む
1ページ/7ページ
「アレを買わんか、馬鹿め!」
「…」
今日1日、幸村は伊達の警護をするよう、武田から命じられたのである。
(警護ぉ?!子守の間違いでござろぉ?!)
内心幸村は、そう思っていた。
「おいっ!幸村っ!聞いているのか!?」
ハァ…と小さくため息を吐いて、真田は伊達の手を掴む。
「…何のつもりだ。」
「は?…いえ…迷子にならぬように…」
真田が、そう口にした瞬間に伊達の顔色はガラリと変わる。
「つまりは…アレか…幸村、貴様…儂の事をガキ扱いするのか…!」
戦国の世で鈍感ランキング1位2位を争う彼は、まだ伊達の怒りの意味を気付いていない…もしかすると、怒っている事にも気付いていないかもしれない。
それ位、彼は鈍感なのだ。