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□吸血鬼
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「秀吉ぃ、吸血鬼って知ってるか?」



唐突な孫市からの質問に秀吉は、小首を傾げる。


「吸血鬼だよ、吸・血・鬼」


と言われても、秀吉はそんな名前聞いた事も無い…



「何かの武器の名前かぁ?」



当てずっぽうに答える秀吉に、孫市は偉そげに口を開く。



「人間の血を糧に生きる東洋の妖怪だ」



秀吉は、明らかに嫌そうな表情で孫市を見る。



「血ぃを、糧に…?」



確かに薄気味悪い話しではある。



東洋のこう言った話しは、日本とは少し違い、怖い…と言うより気持ち悪い…物の方が多い。
ただでさえ怪談話が苦手な秀吉は、苦笑する。



「まぁ…そんな話し…嘘っぱちじゃて…」



口の端を引きつらせながら言う彼に孫市は満足そうに微笑む。



「そうでも無いかもしれないぜ…?」



孫市が意味深な言葉を発した瞬間に、雷が大きく鳴った。



―ゴロゴロ…ピカーン!!!
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