短編集
□ネコマタ達との思い出
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夜遅く、皆が寝静まる中。
僕は昨日今日起こった出来事を日記に記していた。
隣にあるベッドでは弟の昌浩と、ネコマタである杏がよだれを垂らして寝ている。
ネコマタ新緑は二人(一人と一匹?)を回避してすやすやと静かな寝息をたてている。
『主…』
「うん?」
僕は振り返り、いつの間にか部屋に入っていたネコマタ黒、二つの名を"黒翼"に返事をした。
黒が真夜中に訪ねてくるのは珍しい・・・と思いながら。
『主に憑いてからまだ日が浅いが、白や妹弟達との話を聞かせては貰えないだろうか・・・』
黒はついこの前会ったばっかりで、まだそれほど日は経っていない。
「うん、いいよ」
僕は、開いていた日記を閉じて語り始めた。
「そうだなぁ・・・。最初に逢ったのは桃だったかな―――」
・・・・・・―――――