オリジナル小説置き場
□出席簿の…
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「で、結局授業態度ってどんな風に付けてんだ?」
放課後、気になったので担任のいる社会科準備室に倖と一緒に行きそう聞きに言った。
「ん?基本4段階評価。ABCDな」
えらく普通だな。
「ちなみに僕は何ですか?」
話に乗って倖がそう聞く。
相変わらずちゃっかりしてるというか…。
「え〜っと…。倖は授業態度Aだな。問題無いと」
「たまに喋ってますけどね♪」
「……」
担任がなんとも言えない表情になる。
「あ、評価下げないでくださいよ」
倖がニッコリ笑いながらそう告げる。
まぁ、当然の判断だが抜け目ねぇな…。
「安心しろ。尭に比べりゃ全然大したことねぇだろ」
「で、俺の評価は何だ?CかDぐらいか?」
「…何だと思う?」
不敵に、というか愉しそうに笑う担任。
まさか評価0?!
い、いやそれは無いとして…。
「ま、クラスの奴等模範生ばっかりだから見ても問題無いか。ほれ」
俺が考え込んだ矢先、担任が出席簿を開く。
え〜っと…。
「「S?」」
俺と倖は同時にそう言って首を傾げた?
普通なら「よっしゃ、俺、倖より評価いいぜ!」と言う所だが。
「ABCDの四段階評価」というのと「俺が寝てばっかり」っつ〜事考えると…。
それはありえん。断じて。
「…あの〜栗朱センセ。聞きたくないんだが、Sって何だ?」
「さぁて、何だろうなぁ」
こういう所を焦らすのが得意なヤツだったよ。そうだよ。
「…。short?」
ショートって…。
「授業受けてる時間がか?」
「…それもいい案だな」
取り入れようとしてる担任がいるぞ〜。
「…じゃあ、shot」
「ショットて。何打ったよ担任は」
「いや、チョーク?」
確かに毎時間チョーク投げられてる気がするが…。
「流石に違うだろ」
「違う違う。っていうかソレなら毎時間投げてるから書く必要ねぇし」
そうだよな…。
って、何かおかしいぞ!?
っていうか投げてるって認めたぞコイツ!!
「じゃあもう無難にsleepしか無いですね」
「スリープねぇ…」
「正解」
「マジで?!俺そんなに寝てたっけ?!」
「寝てた。」
うおぉ、まさか毎時間寝てるとは…。
「まぁ、妥当な判断ですよね」
「悪かったな、寝てばっかで」
「本当にな」
…うん、授業中寝ることは学生として悪い事なんだよ、うん。
分かってるんだが、悪魔(睡魔)の誘惑には人間勝てねぇんだよ。
少しでもS評価が減るように、頑張ろう。
そして今日も睡魔に勝てない俺…。
おわり
→オマケがあるヨ。