オリジナル小説置き場

□高校生活日記。
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・・・問題はその後なのだ。
誰一人として(・・・・・・)、先生すらも(・・・・・)、その事を何も言わない。
くどいようだが、1組の生徒が誰一人として来ていない。
つまり、この合同授業に半数の生徒が無断欠席している(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)、という不思議きわまりない状況なのに、だ。
ちなみに、この事を授業中に教師に聞く勇気などは菫には無い。何度かそれで恥をかいているからである。

「・・・(変なの)」

そう思っていても、全然授業に集中できない菫。
出席確認をしても、1組の生徒の名前は読み上げずに2組の生徒の名前からスタート。
これも、疑問である。

「(ま、いっか。・・・っていいわけ全然無いわよ!!)」

この菫って子はとっても好奇心旺盛で、物事に関心がとっても強い。
でも聞けないという現実との板ばさみ。

「菫さん、この漢字、全部読んでみてください」
「え〜と・・・。孕む(はらむ)、惚気(のろけ)、恭しい(うやうやしい)、籤(くじ)、洗い浚い(あらいざらい)、貪る(むさぼる)、淫ら(みだら)、柿・・・。かき?いや、こけら・・・?」
「流石菫だな!!俺全然読めなかったぜ」
「アンタはバカだからでしょ?」
「何おぅ!!」
「よく出来ました菫さん。ではこれは?」

先生が黒板に難しい漢字を書き出していく。
鹿尾菜
さて、あなたは読めますか?
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