オリジナル小説置き場

□コンビニ停電事件
2ページ/5ページ

「にしても、この御時勢にコンビニに食べ物の買出しだなんて・・・。不思議ね」
「しょうがねぇだろ。スーパーは今日臨時休業なんだから」

その臨時休業に私が関わっているという事は内緒ね♪
え?どうしたら臨時休業になるかって?別に強盗とか金の圧力とかじゃないわよ?PCでちょちょっと端末をいじっただけなのよ。
PC一つで何でも出来る御時勢になったわね〜。(ちなみにこれは違法行為だから、よい子でも悪い子でも真似しないように)

「えっと、今日の買出しはカップ麺に牛乳にコーヒー豆。それから明日の朝ごはんに肉まんと今日の夕飯、今日の夕刊に年賀状のカタログに振込み・・・って最後は買出しじゃねぇ!!」
「多分叔母さんでしょ?」
「・・・母さんか。ったく、それくらい自分でやれっての」

この会話の聞いて分かるように、私は居候。詳しく言うと、私は月君のお母様の叔父さんの妹の従兄の従妹の息子の娘ね。遠いか近いかよく分からない親戚って訳。
で、月君の両親は共働きだから月君のお世話もかねて私が居候してるの。
現代では珍しい構図かもね。もちろん私の両親は健在よ。今外国に居るけど。

「えっと、牛乳はあっちで・・・。菫さん、夕刊頼むわ。俺は食料の買出ししてくるから」
「食料の買出しって・・・。ま、いいわ」

雑誌コーナーを歩いていると、ふと気になる見出しの雑誌を見つける

「『ハッカーの時代到来か?ネットで有名なハッカーヴィオラ。彼(彼女?)は、ネット側の者ではないかと噂されているが、ネットの管理者は「そんな人はいない」の一点張りを繰り返している。現在掲示板などではヴィオラの正体の追跡を題材とした書き込みが急増中。元一流ハッカーでも追跡困難との事で、ヴィオラの正体は依然として不明のままである』・・・か。」

現在、ネットで有名なハッカーの女王の称号を得ている自称【ヴィオラ】。
ハッカー(遊び半分のハッキングをする人)や、クラッカー(犯罪中心のハッキングをする人)がいかにしても追跡ができない生ける伝説の人。
そんなハッカー、実は存在しないんじゃないかって?
残念ね。存在するのよ。これが。

「菫さん?ニヤけて恐いんだけど」
「ああ、ゴメンなさい月君。買出し終わったの?」
「一応食料は。ん?ああ、ヴィオラの話か。このハッカー、何者なんだろうな〜。ここまで有名になるって事は、とってもすっげーハッカーだって事は俺でも分かるんだよ。一度会ってみてぇよな〜」

実はココにいるんだけどね(笑)
当然、私、菫がハッカーをしているなどという事実は月君には内緒。

「じゃ〜カタログ持って帰・・・」
ジジッ
突然蛍光灯が点滅する

「何?!」
「蛍光灯の変え時じゃね?」

プツンッ
コンビニ内の電気が全て消える

「うぉ〜。真っ暗だな〜」
「うぉ〜。なんて言ってる場合じゃないでしょ?全く・・・」
「電気電気・・・」
「多分こういう時の為に携帯電話ってライト機能が、いいえ、バックライトが付いてるんでしょうね」

私がポケットから携帯電話を取り出してライトを付ける
さて、どうなるやら←楽観的
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ