うみねこ小説

□思うがままに
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「今回はどうだったか、ベルンカステル卿」
「・・・ワンサイドゲームでなかったのは認めるわ」

世界のどこにも属さない世界。
そこで二人の魔女が紅茶をすすりながら会話をしている。
二人の目の先には、先ほどまで動いていた駒達と、そのゲーム盤。
チェスが終われば反省会のみ。
という事は、この魔女達は先のゲームの反省会をしているという事だろう。

「くっくっく。ワンサイドゲームでなくともご不満がおありか?」
「・・・もう少しヒントを与えても負けにはならないと思うわね」
「どこで?どのように。奴等にはかなりのヒントと、『碑文を解け』という明確な言葉まで言った。それでも奴等が負けたのは、一重に実力不足ではないのか?」
「そうね。これは私の奇蹟を持ってしても勝てないでしょうね」
「くっくっくっく。言うな、ベルンカステル卿。奇蹟を持ってしても不可能、と言われては。もう少し難易度を落とさねばならぬようだ」
「難易度は維持で。次のゲームで戦人が頭がキレたら大変よ?ベアト、負けてもいいのかしら?」
「負けてもいい・・・とは。ふっ。このベアトリーチェ、負けを喜ぶ性分に見えるか?」
「暇が潰せるのならば喜んで負けを認めようものだと思うけれど」
「流石大ベルンカステル卿。言う事がまことに的確であられるな」
「・・・。別に、私は思っている事をそのまま言っているだけよ。安心して」
「くっくっく!!これは楽しい。やはり魔女との会話は愉快の一言に尽きるぞ」
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