うみねこ小説

□二進数。
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「数学、算数。人は何故数字で優劣を決めようとするのだろうか。のぉ、ベルンカステル卿?」
「不安なのよ。人の意思や行動なんて日や時間、気分によってだいぶ変わるでしょう?けれども数字はあるルールによって決められている。つまり『揺るがない』」

この世と近くて遠い世界。
魔女・ベアトリーチェと魔女・ベルンカステルはそんな話をしながたお茶会をしていた。

「ベルンカステル卿は元々人の身であられたのだろう?なればそれは一方向からの見解ではないか?」
「ふふ、そう言ってもらっても構わないわ。けれど今の私の身は【魔女】。だから客観的な立場で言ったまでよ。不平不満があるなら言って頂戴」
「くっくっく!別に不満などありはせぬ。しかしきっかりとした根拠に基づいておるのかと思いましてな」
「根拠・・・そうね」

ベルンカステルが、何か、板のようなものに数字を書いていきます。

「これは何かしら」
「100・・・という回答ででよろしいか?」
「じゃあ、これを付け加えたら?」

そう言ってベルンカステルは【%】をその100に加えた。

「100%、だな。それが?」
「100%って、最大値?それとも途中数値?」
「最大値・・・であると妾は思っている。」
「そうね。でも、人間が使う・・・そうね、コピー機。あれなんか普通に120%とか使うわよね。それでも最大値?」
「それは100%を1と考えるからであろう?100%より縮小したくばそれ以下。拡大したくばそれより上。という事であろう。」
「・・・まぁ、コピー機でやれば、ね。じゃあ『120%の本気を出してやる』。この文、正解?」
「不正解でもなく正解でもないな。それは自分の限界を超える、という意味合いを含めているのだと思う」

ベルンカステルがフフッと笑う。
ベアトリーチェは、「なるほど」と苦笑する

「つまり卿は『再度問う。100%は最大値か?』といいたいのだな?」
「そういう事。確かに数字は絶対。けれども使う場所、時、場面に応じてだいぶ意味が変わってくるわ」
「・・・そのようだな。くっくっく・・・!」
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