オリジナル小説置き場

□高校生活日記。
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「菫さんはこれを『現代の神隠し』とでも思ったの?」
「いや、そこまでは・・・。でも誰も気にしてないみたいだから、不自然だなぁと思って」
「この話を教員の前でしたら、多分怒られると思ったんだと思うわ。私もこの話を生徒としているのを他の先生方に見つかったら、多分怒られちゃうでしょうしね」
「そんな大変なんですか〜」
「今頃1組、生徒と先生で死闘を繰り広げてるかもね」
「それは流石に言いすぎでしょう。でも、1日潰してまで話し合うって事は、相当大変だったんじゃ?」
「でも人間何もしないで怒らないでしょ?だから、先生の方にも非はあったのか、とかどうして生徒がそんな事したのか〜とか。色々話しているんでしょうね」
「は〜。この学校、結構問題多くないですか?確かこの前も・・・」

ちなみにこの学校、一ヶ月に一回くらいは生徒やマスコミが楽しんで食いつくようなスクープ(一部では餌という)事件が起きている。
経営大丈夫か?

「ありがとうございました。引き止めてすみません」
「いいのよ。じゃあ、また明日」
「先生。明日国民の祝日です」
「ああ、ごめんなさい。また来週」
「来週から冬休みです」
「・・・そうだったわね。じゃ、また来年」
「よいお年を」
「こちらこそ。よいお年を」

先生が廊下を曲がるのを見届けると、教室に戻ろうとする菫。
しかし、背後からいきなり声をかけられる。

「菫」
「あ、お帰り。終わったの?」
「大変だったよ〜。何かクラスは1組の話題で持ちきりだし。おかげで全然授業にならなかったよ。丁度担任の授業だったから、今日はLHRにして、LHRの時間を科学の時間にしようって言い出すから、みんなそうしたんだよ」
「へぇ・・・。私なんか、あやうく大恥かく所だったのよ?」
「あ〜。菫って、意外に抜けてるところあるもんね。巷で有名なKYって奴?」
「空気読めないとは思ってないつもりだけど・・・」
「じゃあ、天然だね。じゃ、教室戻るね。バイビ〜☆」
「ばいば〜い」

菫が今度こそ教室に戻ろうとすると、こんどは非常ベルがジリリリリと鳴る。

「今度は一体なんだってのよ?!」
「あ、菫さ〜ん。なんかあそこで非常ベルが壊れてるらしいんだけど、直しに行ってくれない?」
「私は便利屋なの?!ねぇ、君!!」
「便利屋でしょ」
「きっぱりと肯定しないで頂きたいわね」

と、文句を言いながら非常ベルの方向に向かう。(非常に五月蝿い)

今日もこの高校は平和です。(どこがよ。 by菫)
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