オリジナル小説置き場

□高校生活日記。
4ページ/5ページ

菫が席に座ると、辺りをキョロキョロと見渡し始める。
先程頭の片隅に追いやられた「1組が来てない」の題目を思い出したのだ。
時間を見ると、授業終了まで残り10分。
ここまで来ないとなると、とても不自然である。
残り時間もどうせ暇なので(授業聞けよ)その謎について考えてみる事にした菫。

しかし10分後、結局答えは分からず、授業終了を告げる合図である鐘の音が教室に響き渡る。

「れい!!」

号令係りが終了を告げると、「やっとおわった〜」やら「疲れた〜」というなんとも定番な言葉が教室内を飛び交う。

「先生〜」

菫が職員室へ戻ろうとする教師を引き止めて、この謎について聞いてみる事にした。

「どうしたの?菫さん。今の授業に不服でもあった?」
「いや、全然無いです。授業とは別に、少し聞きたい事があって・・・」
「何ですか?」
「今の授業、1組との合同授業ですよね」
「そうだけれど。それがどうかしましたか?」
「何で1組来てなかったんですか?」

教師は、「あら知らないの?」と不思議そうな顔で見る

「いや、ごめんなさい。菫さんって人望も厚そうだから、こういう話は一番に耳に入りそうだったから・・・」
「すみません。いつもはそうなんですけど、今日は4組の子と話してたんですよ。だから聞き逃したんだと思います」
「そうなんだ。実は1組の担任が怪我をしてしまってね、それが1組の生徒のせいだって事が分かってね。朝のHRから、4時までみっちり話し合うそうよ」
「へ〜。そうなんですか。良かった」

いや、全然良くないと思う。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ