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□吹奏楽部のアンパンマン劇場
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我らが吹奏楽部は総勢60名ほど。
パートはクラリネット、フルート、サックス、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ、ユーフォニウム、パーカッション。
朝練は月曜日から金曜日まで、午後練も毎日、休日にも月に2回ほどは必ずあると思うな。うん。
学校で人数も多い方、練習量も半端なく、顧問も厳しい、夏祭りなどで演奏多し……そんなことで有名な部活なんだ。
あと、不思議な人がいるとかいないとか……
そう、それはそんないつもの放課後のことだった。
「ねぇ、まゆ。ここどーやって吹くの?」
楽譜を持って現れたのは、サックスのミサ先輩。
「そんなの知るか」
そう答えたのはサックスを手にした部長さん。いや、今日もクールですねぇ。
「えー!?……もういいよ…そう君に訊くから(諦」
「何?」
トロンボーンパートでありながら、先輩後輩、同学年に関わらず誰にでも頼られている……いや過言じゃないよ。
そんな須々木先輩がスマイル0円で返事をした。苦笑いだけどね。
「ここのリズムってどんな感じなの?」
「ああ、そこは……」
丁寧に答えてあげるとこ、優しいよな。
そんな時に……
「何で役のところ、僕ばいきんまんなんですか?!…よし、主役の座を奪い取ってやる!」
ウザいほどハイなのは小早川先輩。トランペットパート。
「小早川君何ほざいてんの?煩いよ?」
うっはぁ。キッツいね、部長さん。
「うわっ酷!!何それ酷!!!!僕頑張るって宣言してんのにそれですか!?」
「あぁはいはい」
すっげー軽く流されてる……
「ちょっとォォォォ!?聞いてます!?!?(泣」
聞いてないんじゃないかな。
あー泣きそうだよ……
「なに?のっとりたいんだっけ」
心優しい須々木先輩はきちんと返答。あー優しすぎ……
「そうですよ!!!!…あ」
ちょ、小早川先輩。周りの目ぇ滅茶苦茶冷たいッスよ。
「あー主役とかやりたいと思ってるんだ?小早川のくせに(酷」
部長さんがまたキッツいこと言ってらー
あ、小早川先輩は殆ど誰にでも敬語のよーな感じで喋ってるね。1年から見たらだけどさ。
「い・いえそんなことは……(しばし考え)あります!」
「どっちなの……?」
皆の意見を代弁して、須々木先輩が溜息を吐いてる。幸せ逃げてくよ?
「お前なんか一生黙ってろ」
ミサ先輩まで酷いこと言いますねぇ。
「そうだそうだー」
先輩方、それイジメじゃないッスか?
「う……酷い(T T)」
小早川先輩、貴方は弱すぎです。あーもう半泣きじゃん。
「だってェホントのことだしィ」
フルートパートのアヤ先輩がとっさに口出し。あれ?いましたっけ?
「うわ何気なく紛れてる(-.-;)」
こちらはホルンパートのめぐみ先輩。
「中原もな」
須々木先輩、流石です。鋭いツッコミ!
「く・クソッ!皆で馬鹿にしやがって!!」
否、違うでしょ。何故かよく判らないポーズとってるし。
「変☆身!!!!」
ピカーン(ぇ
なんか光ったよ。何、小早川先輩どんだけ←
「ハッハッハ。俺様はばいきんまん。アンパンマンなんかやっつけてやるもんね〜ハッヒフッヘホー♪」
何ノリノリなんですか。キモいッスよ。
「小早川君ついに壊れたね…はぁ……」
須々木先輩、また溜息吐いてるし。
「変身とかアリエナイ!ははっ」
ミサ先輩モロ笑ってますて。
「超ダサいんですけどォ!」
アヤ先輩、言いすぎじゃないですかね。逆ギレするとウザいッスよ?
「ちょっと!!馬鹿にしないで下さい!!!!」
「ダサいんだからダサい(キッパリ」
子供みたいな反撃をした小早川先輩に部長がバッサリ……いい気味だ(ぇ
「いや、意味判らないですから!!!!(嘆」
いや、判れよ。
「小早川君……哀れだ」
須々木先輩、哀れんでやる必要ないと思いますよ?
「あーあ、いいな〜そう君は。出番も多いし…主役だし…皆から大事にされるんだ!」
否、違うだろ。つか黙らないかな。
「僕なんて……わーん!!!!」
子供みたいだし。
「それ哀れ度が上がっただけだから!ってか最後の微妙に違うし!皆に大事に……って馬鹿ッ!?!?」
そーですよ、小早川先輩は馬鹿なんです。
「僕の代わりにツッコミありがとう」
「ツッコミとしては長かったよね」
ミサ先輩、ツッコミの講評とかいいですから。
既にアヤ先輩たちは先輩たちで喋ってるみたいだし。
「……ッ!もういい!!僕にだって部下がいるんだ!!かびるんるん、行け!!!!」
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