保管倉庫
□ホワイトデーの出来事
2ページ/2ページ
―――――――――――
ホワイトデー、当日の午後。
ガチャ
研究室のドアが元気よく開けられた。
「カモテツさんこんにちわー!」
今日もまた研究所に遊びに…いや、見学しにきたミニッツ。
「こんにちわ、ミニッツさん」
そう言いながら、哲夫は机の引き出しから包みを二つ取り出した。
「はい、これ。バレンタインのお返しです」
その包みを一つ、ミニッツに渡す。
「ありがとう〜!!何が入ってるの?」
「クッキーですよ。手作りなんでちょっと見栄えが悪いんですが」
苦笑いする哲夫。
「カモテツさんの手作り!?凄ーい!」
「あと、これはミクさんの分です。お願いしますね」
「はーい」
もう一つの包みも受け取るミニッツ。
ミクは遠方でライブをしていて、帰ってくるのが明日。
哲夫は明日から出張の為、ミクに直接渡せないのでミニッツが預かる事になったのだ。
「きっと、ミクお姉ちゃんも喜ぶよ〜。…あ、そうだ。カモテツさん、淀ジョルにもバレンタインのお返ししたの?」
「…ええ、まあ。あげましたよ、一応」
あの後、哲夫は仕方なくトカゲ型クッキーも焼いて淀ジョルに渡したのだった。
(生地が足りない云々は嘘)
淀ジョルは嬉しいそうにそれを受け取るとすぐさま帰っていき、哲夫はホッと胸を撫でおろした。
「……本当、摘み食い以外に何もされなくて良かったです…」
ボソッと呟く。
「はにゃ?摘み食いって?」
「いえ、何でもないですよ」
「?…あ、今クッキー食べてもいーい?」
「いいですよ」
「わーい♪」
ミクの分を机に置き、自分の分の包装を開けるミニッツ。
中から可愛い小箱が現れた。
箱を開けると…
「おいしそう〜!」
星やハートの形をしたものや、市松や渦巻きの模様のクッキーが入っていた。
「いただきまーすっ!」
ハート型のクッキーを手に取り、かじるミニッツ。
そんな様子を見ながら、哲夫はふと思う。
「(淀ジョルの分、塩たっぷり入れとけば良かったかなぁ…)」
ソルトクッキーですか。
「クッキーおいしい〜♪」
ミニッツは笑顔で三枚目のクッキーを頬張るのだった。
終わり。
―――――――
……なんとか当日に書ききりました。
いつも通り意味不明文ですみませんorz
…淀ジョルは哲夫から貰ったクッキー、お供のトカゲ君にでもかじられて涙目だったらいいんじゃないもうさ。(何かもうやけっぱち)