保管倉庫
□くじ運の行方(仮タイトル)
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「あ、鴨さんじゃん。こんちわー、俺に何かYO?」
「まあね。…仁木くん、これいるかい?」
ジャケットのポケットから例のアレを取り出す。
「!!それ、デ○ズニーラ○ドのパスポートじゃん!貰っていいの?!」
「ああ。商店街の抽選で当たったんだが、いらなくてね」
チケットを彼に渡す。
「サンキュー!…あれ?これって、ペア??」
「そうだ。…サユリ、くんだったか?彼女と行ったらどうだい?」
笑みを浮かべて言うと、仁木くんは顔を赤くした。
「っ!!……そ、そうするつもり…」
手に持っている肉まんよりも湯気が出そうな程顔が赤い。
…と、そこへ誰かの声がした。
「ニッキーってば、また部活サボって買い食いしてる!!」
「げ、サユリ!?」
思わず肉まんを落としそうになる仁木くん。
「噂をすれば…だな」
「あ、こんにちわ。鴨川さん」
わざわざお辞儀をするサユリくん。
「こんにちわ、サユリくん。……さて、邪魔者は消えるとするか。頑張れよ、仁木くん」
「?」
「ちょ、鴨さん!?」
首を傾げるサユリくんと更に顔が赤い仁木くんを置いて、私はその場を後にした。
「頑張れって……何を頑張るの?ニッキー」
「え!?いや、その、あのだな……ああもうっ!!鴨さんからコレ貰ったんだけどよければ暇な時に一緒にどうYO?!」
半ばヤケクソでパスポートを差し出すニッキー。
「あ、ディ○ニーラ○ド。………来週の日曜日なら、いいよ」
「マジ!?」
「本当」
軽くガッツポーズをするニッキー。
「でも部活はちゃんと出なさいよー。ほら、戻る!」
「はぁ〜い…」
サユリに首ねっこ捕まれて引きづられながらも、ニヤニヤしながら残りの肉まんを頬張るニッキーだった。