保管倉庫
□くじ運の行方(仮タイトル)
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久しぶりの休日である木曜の朝。
出来れば正午辺りまで寝ていたかったのだが、ごみ捨ての為にしぶしぶ起床。
朝食を済ませ手早く着替え、ごみ袋を手にごみ集積場へと向かう。
そこには丁度、近所のおばさんが明らかに何処かへ旅行に行く服装でごみ捨てに来ていた。
そばには旅行カバンが。
「あら、おはよう鴨川さん」
「おはようございます。お出掛けですか?」
「そうなのよ〜、今日から友達と一緒に二泊三日の箱根旅行に。夫は留守番なんだけどねー」
適当に相槌を打ちながら、何度か会った事がある旦那さんが少し可哀想に思えた。
「あ、そうそう。鴨川さん、今日商店街に行く予定あるかしら?今日まで抽選会やっててね、私抽選券持ってるんだけど旅行行くから出来ないのよねー。勿体無いからあげるわ、はいどうぞ」
「…ど、どうもありがとうございます」
おばさんの勢いに押され、抽選券を受け取ってしまった。
「それじゃあね〜」
「い、いってらっしゃい……」
……どうしようか、この抽選券五枚に補助券十枚。
―――――――――――
結局、勿体無いので商店街まで行く事に。
商店街入り口にある抽選場へ。
「はい、いらっしゃい。券は何枚?」
「五枚と補助券十枚です」
爽やかな笑顔のおじさんに券を渡す。
「補助券は五枚で抽選券一枚分だから、七回分だね。さあ、七回回しちゃって」
そう言われ、私はガラガラを回し始めた。
一回目、ティッシュ箱一個。
抽選なんて、そんなもんだ。
二回目、ティッシュ箱二個目。
…あっても困らない。
三回目、コシヒカリ五キロ。
珍しくまともな物が。
四回目、カップ麺一箱。
買わなくて済んだな。
五回目、デ○ズニー○ンドパスポートペア。
……私にどうしろと。
六回目、ティッシュ箱三個目。
今日は運が良かったな。パスポートペアはともかく。
七回目………
ガラガラガラ…