保管倉庫
□とある日常。〜帰り道編〜
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自宅から最も近いスーパーを出てから徒歩10分。
時間的にはもう自宅に着いてもいいのだが、距離的にはやっと半分。
「…ちょっと、買いすぎたかなぁ?」
両手にはずっしりと重いスーパーの袋。
「やっぱり、安いからって買いすぎた……」
と、哲夫が呟いたその時。
「こんちわー、鴨さんっ♪」
ガバッ
通りすがりのニッキーが背後から抱きついてきた。
バランスを崩しかける哲夫。
「わぁっ!…こんにちわ、ニッキーくん」
「あれ?鴨さん、買い物帰り?」
哲夫の両手にぶらさがっているスーパーの袋を見て言うニッキー。
「ええ、夕食の材料を買いに」
「そっか〜。あ、重たそうだから片方持つYO!」
そう言いながら、哲夫の左手からスーパーの袋を奪う。
「あ、すみません」
「気にしない、気にしない。
……あ、そうそう。鴨さんさ、一昨日ぐらいに極卒と一緒にいなかった?」