保管倉庫
□とある日常。〜地獄編〜
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ここは地獄の14丁目。
コンコン
「………」
この家の主、ヴィルヘルムはドアのノック音を気にもせずに今月号の『趣味○園芸』を読んでいた。
〜10分後〜
コンコンコン
「…………」
鳴りやまないノック音を無視してページをめくる。
〜30分後〜
コンコンコンコンッ
「……………」
眉間に皺を寄せながらも、耐える。
〜45分後〜
ゴンゴンゴンゴンッ!
「………………」
耳栓をして雑誌を読む。
〜1時間後〜
「おーい、ドア燃やしてぶち破っちゃうよ〜??」
ノック音の代わりに、誰かの声が耳栓をしている耳に入ってきた。
「―――っ嗚呼!彼奴はもうっ!!」
結局、無視しきれなかったヴィルヘルムは読んでいた園芸雑誌を机に置き、玄関へと向かう。
ガチャ
「やあ、ヴィルヘルム^^」
ドアを開けると、極卒が笑顔でそこにいた。
「…なぜ、お前は二日に一度必ず我の家を訪ねてくるのだ」
げんなりした表情のヴィルヘルム。