保管倉庫

□(タイトル未定)
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「『片手が鉤爪の思念体に襲われてた青髪で中肉中背の丸眼鏡の男』つったら鴨川支部長しかいないしな。それで呼んだ訳。極卒の生活費はこっちで持つから預かってくれ」

「いや、極卒君には恩がありますから構いませんけど…何で神様が費用持つんです?」

「ああ、次回以降のポップンパーティーの強制出演との交換条件。毎月足りそうな額口座に振り込んどくから宜しくな」

そう言って、神様はさっさと帰ってしまった。

「…口座って何処の…?」

「これからお世話になります、宜しくね。鴨川哲夫」

極卒君はニッコリと僕に笑い掛け、

「…早速だけど、哲夫って呼んでいーい?」

「ええ、構いませんよ。……取り敢えず、僕の家に行きましょうか」





その日から、極卒君との生活が始まった。

(因みに神様からの振り込み先は光熱費用の口座でした)
(そのお金は何処から捻出してるのかとか、何で僕の口座知ってるのかとか。きっと突っ込んではいけないんだろうな)



「……そういえば、」

支度をしていた鴨川の手が止まる。

「どうかしたー?」

お茶碗に残った数粒のご飯と格闘中の極卒。

「極卒君が初めて家に来た時、自己紹介で『出身は地獄、種族は鬼。歳は…数えるの面倒だから分かんない。探し人が見付かるまで宜しくねー』って言ってたじゃないですか」

「言ったねぇ」


因みに、自己紹介の後極卒は『鬼って人間食べるんだよ?今じゃ滅多にそんな事ないけどね、色々面倒な事になるし。で…さ、この間哲夫の血舐めたじゃない?物凄く美味しかったんだよね。機会があったら食べてみたいな〜』と、笑顔で言ってのけた。


「極卒君が探してる人ってどんな人なんですか?」

「なんだ、そんな事?」

極卒はお茶碗に最後まで残っていた一粒を箸で摘んで口に運ぶ。

「次の地獄の統治者…次期閻魔という立場なのにも関わらず家出したへたれ魔人」

「……未来の閻魔大王様、ですか」

「すぐに見付かるかと思ってたんだけど、考えが甘かったらしくてね。……哲夫、時間ー」

極卒は箸を時計に向ける。

「っ!?」

時計を見て鴨川は慌てて支度を済ませ、

「戸締まり宜しくお願いしますっ!!いってきます!」

「いってらっしゃーい」

鴨川は走って家を後にした。


「…さぁて、僕も片付けたら探しに行くか。まったくあのへたれ魔人ってば一体何処にいるんだか…現状を楽しんでるけど、これ以上手間かけさせないで欲しいよねぇ」

食器を片付けながら、ブツブツと極卒は捜索相手への愚痴を吐いていた。



※―――――――※
なんか中途半端だけど、一区切り。
へたれ魔人は勿論かにぱん。
後で文修正するかも。
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