はなし

□キスミー キルミー
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*トリップヒロイン










「レギュラスー、殺して」

「…何をです」

「私を」



そういったらレギュラスはカップを口に運びかけた姿勢で固まってしまった。

まぁ、当然と言えば当然の反応だ。ただの友達に突然そんなこと言われたら皆そうなる(と思われる)。むしろカップを落とさなかったなんて凄い。



「……先輩、とうとう脳内腐りましたか…」

「否定はしないけど」

「して下さい、せめて」



同時に紅茶を飲み、一息ついたところで話を続ける。



「人間いつか死ぬでしょ?遅いか早いかだけで」

「そうですね」

「レギュラスだって、いつか死ぬ」

「そりゃあ人間ですから」

「で、私は多分レギュラスがいない世界に耐えられない」

「へー」


「もう少しリアクション欲しかったな…
…んで、レギュラスが近くにいるうちに死ななきゃないとなりますね」

「僕には迷惑な話ですけどね」



レギュラスが女の子から貰ったクッキーをぽりぽり食べながら『レギュラスに殺して欲しい』だなんて確かに迷惑な話だな、とちょっと笑ってしまった。



「自覚があるなら改善しましょう。それが人間です」

「人は独りでは行きていけない!」

「先輩は頼り過ぎだと言ってるんですが」

「おっと話がとんだね。さっきの話の続きなんだけど」

「無理矢理ですね」

「気にしない」



無理矢理だろうがなんだろうが言いたいんだ。本を通しては伝わらなかった貴方の人間臭さを知った私の気持ちを。

ひねくれた私なりに。



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