はなし

□飽和
1ページ/2ページ


「……何してるんだ?」

「オセロ」

「…あ、そう…」



お互いに穏やかな雰囲気になり、最近ギスギスした空気は滅多に感じなくなったとは思っていた。
が、やはり無口なのは変わらない。

極端に社交性のない二人がボードゲームをしている様子は、正直言って気まずい。

せめてどちらかの部屋でして欲しい…
あ、でも二人だと静か過ぎる事も考えて食堂でやっているんだろうか?


そんな事考えても仕方ないし、聞いても無視されるだろう。

俺は仕方なく気まずい中で食事を取ることになってしまった(ため息をついたら睨まれた…気がした)。





「ロックオン、」



パチパチと引っくり返す音が響く中、遠慮がちに後ろから声をかけられた。


「アレルヤか。どした?」


アレルヤはちょっと苦笑いしながら「あれ…」と例のオセロ組を指差した。



どうやら刹那が負けたらしい。表情は何時もと変わりないが、ちょっとうなだれている。
それに比べてティエリアはフフン、という擬音が似合うほど。



「ツメが甘かったな、刹那・F・セイエイ」

「………」




…仲裁に入れと?

僕には無理ですから。



アイコンタクトでそんな会話をする。



「さあ、罰ゲームだ」

こんなに張りつめた空気で何言ってんだあいつ!?

「………」

やっぱり止めないと危ないんじゃ…





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ