はなし
□飽和
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「……何してるんだ?」
「オセロ」
「…あ、そう…」
お互いに穏やかな雰囲気になり、最近ギスギスした空気は滅多に感じなくなったとは思っていた。
が、やはり無口なのは変わらない。
極端に社交性のない二人がボードゲームをしている様子は、正直言って気まずい。
せめてどちらかの部屋でして欲しい…
あ、でも二人だと静か過ぎる事も考えて食堂でやっているんだろうか?
そんな事考えても仕方ないし、聞いても無視されるだろう。
俺は仕方なく気まずい中で食事を取ることになってしまった(ため息をついたら睨まれた…気がした)。
「ロックオン、」
パチパチと引っくり返す音が響く中、遠慮がちに後ろから声をかけられた。
「アレルヤか。どした?」
アレルヤはちょっと苦笑いしながら「あれ…」と例のオセロ組を指差した。
どうやら刹那が負けたらしい。表情は何時もと変わりないが、ちょっとうなだれている。
それに比べてティエリアはフフン、という擬音が似合うほど。
「ツメが甘かったな、刹那・F・セイエイ」
「………」
…仲裁に入れと?
僕には無理ですから。
アイコンタクトでそんな会話をする。
「さあ、罰ゲームだ」
こんなに張りつめた空気で何言ってんだあいつ!?
「………」
やっぱり止めないと危ないんじゃ…
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