はなし2

□衝動的パロ
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昔々あるところに、おじいさんとおばあさん的な人が住んでおりました。
二人は仲良く暮らしておりましたが、子どもがいないのを少し寂しく思っておりました。
そんなある日。えいふまんおじいさんは山に芝刈りに、びりーおばあさんは川へ洗濯に出かけました。

おばあさんが川で着物を洗っていると、どんぶらこと大きな桃が流れてきました。
美味しいのかはとても疑わしいのですが、一体何故あんなに大きく育ったのか気になったおばあさんは桃を持ち帰り調べることにしました。

家に帰り桃を割って見ると、なんと金髪の男の子が出てきたではありませんか!
大喜びのえいふまんおじいさんはその子に『グラ太郎』と名付けました。びりーおばあさんもある意味大喜びでした。研究的な意味で。



すくすくとグラ太郎が成長し、こんな狭いところでは私の才能が生かせない等と本人が訴え始めた頃のこと。
都でなんやら鬼が暴れていて困っているという話を、おじいさんとおばあさんが聞きました。

これはチャンスなんじゃね?と思ったおじいさんとおばあさんは、グラ太郎を鬼退治へと向かわせる事にしてみました。厄介払いではありません。
とんとん拍子で準備が整い、えいふまんおじいさんから気合の入った鎧と旗(『ふらっぐ愛』の刺繍入り)を、びりーおばあさんからは薬入り…げふん。隠し味の効いた特製きびだんごを受け取り、いざ参らんとグラ太郎は生まれ育った村を出ました。



旗を無駄にひらめかせながらグラ太郎が歩いていると、道端でぐったりしている犬に出会いました。
運命めいたものを感じたグラ太郎はその犬を助けおこし、きびだんごを食べさせてあげようとしましたが、何かを感じとった犬はきびだんごを遠慮しておにぎりを頂きました。

「空腹のあまりに倒れていたところを助けていただき、ありがとうございます。俺に出来る事があるならついてゆきましょう」

明らかに戦闘しにゆきますといった格好のグラ太郎を見て犬のニールはそう言いました。

「それは有り難い。流石に一人で鬼退治は辛いかと思っていたのだ。歓迎しよう!」

それを聞いてしまった可哀相な犬は固まりました。こいつ一人で鬼退治に行く気だったのかよ、え、マジ?そんな奴についてっていいの俺?といった心境です。




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