はなし

□口ずさんだLoveSong
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※ロク 社会人
刹 大学生な現代パロ














カタタン、カタタン。


規則正しく響く振動に、瞼が下りそうになる。
昼間何時も以上に仕事を頑張った分、何時も以上にそれが堪えるようだ。

いっそ寝てしまいたいが、それでは早く帰るために頑張った意味がなくなってしまう。
乗り過ごして遅くなったなんて言ったら彼――同棲し始めた恋人が、「馬鹿か」と機嫌を損ねてしまう(…多分)。


刹那の事を考えただけで少し目が冴えた。
まったく、どれだけ惚れ込んでんだかと自分でも呆れるが好きなものはしょうがない。





刹那とマンションに引っ越してきてからまだ2、3日しかたっていない。
大学に通っている分俺より家にいる時間が長い刹那が段ボールを片付けてはいるが、未だに何が何処に在るのか分からない状態だ。

一応冷蔵庫に食材はあるのだが、台所用品が見当たらなくて3日連続で夕食は弁当。
温かいご飯って大事なんだな、と悟るには十分な数字だ。流石に鍋とかも出ているだろうし今日くらいは作りたてを食べたい…切実に。


刹那は俺がいないと適当に済ませようとするからなぁ、早く帰って作ってやらないと。



そんな事をぐだぐだ考えながらふとケータイを見ると、メールがきていたようでチカチカ光っていた。



あ、刹那から…



もうすっかり覚めた目でケータイの画面を追っていく。


あいつらしい用件だけの、そっけない(そして男らしい)文だ。

だけどそんな刹那がこんな内容のメールを寄越すからこそ、顔がにやけるのをおさえられないくらい嬉しい。







――――――――――――

夕食を作る都合がある。
何時に帰るか教えろ。

――――――――――――









これはつまり、刹那が作ってくれるって事だよな?

しかも家で待っていてくれるって事だよな?


…あぁ、幸せだ。





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