はなし
□あと何人殺せば化け物になれますか
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何度人を殺しても
あのお方のためだ、と自分に言い聞かせても
殺すたびに、罪悪感がましていく。
その人の未来の重さが私を潰そうとする。
私の背中はそんなに乗せられないよ、
「化け物になって、背中大きくなったら殺しても平気になるかな」
「……どうした」
「…たっ高杉さん!?」
隣を見ると、いつの間に座ったのか高杉さんがキセルを手に庭を見ていた。
縁側で考えにふけっていたからか、彼が気配を消して近付いたのか。いずれにしろ気付けなかったのに変わりはない。
「すみません…」
「なんで謝る」
「隣に人がいるかも分からない状態じゃ、高杉さんの役にたてません」
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