はなし2

□パステル
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「?どうしたの、美鶴」

「…シャボン玉」



すらすらと問題を解いていた手が止まっていると思ったら、窓を見ていたようだ。

マンションには大抵小さい子が何人かいる。上に住んでる子が遊んでるのかな。


それにしても美鶴がシャボン玉好きだなんて…

そんな事を考えていたら、表情に出てしまっていたらしい。ムスッとした美鶴がこちらを睨んでいる。



「…なんだよ。そんなに意外か?」

「ううん、なんか…可愛いなって」



すると珍しい事に、あの美鶴が赤面した。

美鶴はあまり自分から気持ちを言わないから、こういう風に褒めるとやたらと恥ずかしがるんだ。

うん、貴重なものが見れた。




「おい、続きは?」

「きゅーけー!」



窓を開けてベランダに出ると、シャボン玉はふわふわとこちらに寄ってくる。

手で受け止めようとするが、触れた瞬間に弾けてしまった。

あぁ、暫くぶりで忘れてたけど、シャボン玉ってこんなに儚かったっけ。



「手、汚れるだろ」

「わ、ホントだ。ベタベタする…」



いつの間にか隣に来ていた美鶴に手を捕まれ、ペロっと舐められた。



「み…みつ、!?」



ちらっと目を合わせるだけで、何もいわずに舐めつづける。






「綺麗になったけど…まだ舐めて欲しい?」



絶対さっきの根に持ってる…!!
ニコニコ笑いながら僕の手を掴んでいないほうの手で頬を撫でられ、「亘?」と名前を呼ばれる。




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