短編小説

□ぬくもり
2ページ/3ページ

昼休み、同じ部署の子達とお喋りに花を咲かせる。



「ね、ね、高橋さんて、付き合ってる人いるの?」



「ん?いるよ」



えーいるんだぁいいなぁ私も欲しいー



そんな言葉を聞き流しながら香奈の事を思い浮べる。



……今頃何してるかな。



「ね、どんな人?カッコいい?」



「秘密」



えー教えてよー



教えない。香奈の可愛さは私だけが知ってればいい。



なんて、そんな事無理なのは分かってるけど……。



早く香奈に会いたい。










やっと仕事が終わった。今日は残業もなく定時で上がれたし良かった。






いつでも香奈の事を考えてる自分がいる。



行き帰りの電車の中、仕事中、果ては夢の中でも。



あの頃はこんな風になるなんて思わなかった。



でもいつからか香奈を目で追うようになった。



もっと香奈の事を知りたいと思うようになった。



香奈の心の闇を知った時、守ってあげたいと思った。



アタシが香奈を幸せにしたいと、思うようになった。



世間の目は冷たいけど、それに負けないくらい幸せにしてあげようと思った。



ねぇ、香奈、香奈は今幸せ?
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ