憧憬之華
□捌
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《憧憬之華・捌》
僕は何をしたいのだろう。
今更、どうにもならないのに。
もう終わりにしなくてはならないのに。
あれから四年が経った。
みっともなく足掻いていても、何も変わらなかった四年。
本当に、もう、終わりにしなくては。
面影を追っても、何もならない。
残るのは、言いようのない虚しさだけ。
四年の間の虚しさは積もり、苦しくて辛い。
忘れるべきなんだ。
僕も、もう忘れたい。
思い出すだけで、憎しみは増す。
そんな想いは、もう抱きたくない。
だから忘れたい。
それなのに。
忘れる方法を、僕は四年もの間、ずっと探し続けて、まだ見つからない。
脳裏に焼き付いて消え去らない桜の華は、四年という月日が経っても、僕を苦しめ続けている。
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