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「――今日の午後って何か聞いたか?」




昼食を終え集合がかかったのは今期のアカデミー生全てが収容できる大きな講堂だった。


詳しい情報は特になく定時になるまでそれぞれが近場の席の同期と言葉を交わしている。








「聞いてない。…それより、ルイは?」



「なんかいなくなってた。まぁ戻ってくると思うけど」







ニックの問いにキラは隣の空席に視線を移した。昼食は一緒にいた。なのにいつの間にか消えていたのである。









「・・あ、きた」





時間まで後数分となったところでルイが姿を見せ、席はここだとアピールする。


しかしルイはキラを指名しちょいちょいと手招きをしてきた。セイとニック、キラは二人と顔を見合わせ何事か、と首を傾げつつ、教官が入ってくる前に急いで席を立つ。









「ルイ、どうしたの」


「…呼び出し」


「え、でも」


「“免除”だって。…ってか、面談?」


「??」


「場所は第三会議室。話は通ってるらしいから。じゃ、またあとで」







免除、というのが適応される。その項目を見たのは入寮前だった、とキラは思い出した。


任務に呼び出されることもあるし、MS操縦の訓練も不要と判断されているからだ。オーブ出身でモルゲンレーテに居たという経歴になっているからの措置、みたいなことが書いてあった。このアカデミー入学自体、軍人として不足分を補う意味が強い。

つまり補講生的な扱いだ。身分を表立って公表しないために偽名も使っている。




アカデミーのカリキュラムが進むにつれ、こういったことも増えていく――講堂に居る生徒の好奇の視線を感じつつも、キラはそう納得して退室した。







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