TIR NA NOG

□ガーターベルトの誘惑
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微かな物音にキラはゆっくりと目を開いた。




自棄になってアルコールをたくさん摂取したせいか、パーティー終了前にキラはふらつくようになってしまった。






アスランはそんな親友の状態を心配し、イザークに言ってホテルのカードキーを貰った。




真面目で堅物である彼が寄越したのはラクスの泊まる部屋のもので、アスランは面を喰らった。ゆっくり話をできなかった二人への配慮らしいが、一歩間違えれば大問題だ。




身内の者ならば彼らの関係を知っているからいいが、知らない者からすれば正気を疑われる行動だろう。







ともあれこっそり会場を抜け出したアスランはキラを寝室のベッドに転がして、残った外交をしに戻って行った。







キラは柔らかいベッドに寝そべりながら、息苦しい衿を乱暴な仕草で緩めた。




冷たい空気は熱を点した身体と相性が良く、そのまま微睡みに落ちていった。
















「……寝て、た、‥‥ぼ、く」






酒が抜けていないのかまだ頭がクラクラする、とキラは額を押さえ重い身体を起こす。


寝室の扉が少し開いていて眩しい光りが漏れている。暗闇に慣れた瞳にその光りは強すぎてキラは目を細めた。





リビングの電気が点ったということは、すなわちこの部屋の本来の主が戻ってきたということだ。




微かな記憶の中にイザークから貰ったキーはラクスの部屋のものだと言われたのが残っていた。






浮気者の御帰還である。




パーティーの最中に感じていたことはもれなく全てはっきりくっきり記憶しているキラは、わざとらしく眉間に皴を寄せてベッドから降りた。










「………」





扉の隙間からこっそりとリビングを覗けば、シャンパンを飲んでいる恋人が目に入った。


自分に負けず劣らずアルコールを取っていたはずの彼女が飲み直している光景にキラは目が点になる。




正直もう酒を見たくないというほど飲んだと自覚のあるキラは、初めて見るラクスの酒への耐性に驚いた。



そうこうしてるうちに、立ち上がってドレスを脱ごうとしているラクスの姿が目に飛び込んで来て、キラはドアノブにかけた手に込めた力を抜く。






ピンク色の頬に白い胸、細い項と腰、乱れたスリット覗く太股(ガーターつき)があまりに魅力的で、ストリップを見物したい欲求が勝利したのだ。





思えば半年前を最後に禁欲を強いられてきた健全な男である。それなりの欲求を感じるのは致し方ないことだ。










「・・・脱がないの?」





だがいつになっても下着姿にならない。


ガーターつきの下着姿なんてのは恋人の自分でも見たことのない超レアものなのに、無自覚に焦らすラクスにキラは不満をこぼす。








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