TIR NA NOG

□U-W
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「――二重軍籍ぃ?」






カガリに呼ばれ執務室を訪れてみれば、キラは姉から妙な事を告げられ、思わずそのまま復唱してしまう。









「すまんな。なんかそういうことになってしまった」






弟からじとりと見つめられ、カガリは苦笑いをしながら頬を掻く。




半年間、オーブ復興に貢献しプラント移住を希望した弟をカガリは快く送り出すつもりだった。そしてその準備も進めていた。




キラはオーブからの技術者派遣の名目でプラント入りし、そのまま移住する。



オーブからの避難民の軍事利用を止めるのを最後まで渋っていた国防委員会を納得させるカードには技術者派遣と、もう一つ、フリーダムのパイロットの派遣が隠されていた。







キラがプラントでラクスの傍に行くことは時間の問題であるのは最初から目に見えていたことだ。








フリーダムとジャスティス。





二度の戦争で名を馳せたこの2機のパイロットには国防委員会は甚く執心している。






ザフトを除隊しオーブ軍に入隊したアスランにも戦後処理の過程で密かに復隊の打診があった。それは本人が知る前に立ち消えたが、クライン派の旗艦エターナルを母艦としたフリーダムもまた、ラクスがプラントに戻るのと同時について来てほしいと希望した国防委員会。






ザフトのトップエリートをことごとく撃ち破った最強のモビルスーツパイロットを自国に欲しいと願うのは、何もプラントだけではない。






無論オーブもその力を手放したくなかった。






国防の要にも抑止力にもなる、フリーダム。






どうにかしてキラを囲い込もうと、カガリの預かり知らぬ所で様々な策が巡り、休暇中の彼を引っ張り出してラクスから引き離したり、機嫌を取るために贈物や縁談等など。








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