絶対零ド

□絶対零ド
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第八話―執着―








『貴女は貴女自身のものではなくて、世界のものなのよ』





死なないで。



『でも、これも忘れないで』




貴女だけは、生きて。






『世界も、貴女のものだから』





絶望して、死にたくなっても、貴女だけは決して死なないで。












「貴方は、何もかも、手にすることはできないっ」






「ジュリアナっ!何をッ?!」







「手始めに、私がなってあげる」





ごめんなさい、シーゲル、ルレリア。私はもう、生きることはできない。







「貴方は皇族にはなれやしない。貴方は、皇族の血の呪縛から、逃れられないっ」





でも、希望を残したから。







「いつか必ず、皇族の血に平伏すことになるわ」








ラクスは、皇となるべく、生まれてきてくれた子だから。







「貴方は、いつか、皇族の血で、この世から抹殺される」







私は、もう未練はない。





ラクスが生きてくれれば、私はもう満足だから。









「……あの世で、待ってるわ」







「よせぇえーーーッッ!!!」







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