絶対零ド
□絶対零ド
1ページ/3ページ
第八話―執着―
『貴女は貴女自身のものではなくて、世界のものなのよ』
死なないで。
『でも、これも忘れないで』
貴女だけは、生きて。
『世界も、貴女のものだから』
絶望して、死にたくなっても、貴女だけは決して死なないで。
「貴方は、何もかも、手にすることはできないっ」
「ジュリアナっ!何をッ?!」
「手始めに、私がなってあげる」
ごめんなさい、シーゲル、ルレリア。私はもう、生きることはできない。
「貴方は皇族にはなれやしない。貴方は、皇族の血の呪縛から、逃れられないっ」
でも、希望を残したから。
「いつか必ず、皇族の血に平伏すことになるわ」
ラクスは、皇となるべく、生まれてきてくれた子だから。
「貴方は、いつか、皇族の血で、この世から抹殺される」
私は、もう未練はない。
ラクスが生きてくれれば、私はもう満足だから。
「……あの世で、待ってるわ」
「よせぇえーーーッッ!!!」
.