The world of despair
□The world of despair
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「……ね、今夜さ‥ぇっと」
裏庭でもくもくと昼食を摂っている中、キラは隣にいるラクスに声をかけた。どことなく、戸惑ったような感じに。
「はい?‥はっきりして下さいな」
「えっと、…暇?」
じれったい様子にラクスは、ツンと鼻を鳴らした。キラはもごもごしながらも、意気込んでラクスに告げた。
人生初のデートへのお誘いだ。
「……内容にも、よりますわね」
ところがラクスの返事はいつもどおりに冷たいものだった。
「何を、わたくしとしたいんです?」
「…しょ、食事と‥か?」
「ふぅ‥ん」
じとりと、ラクスの鋭い視線がキラにべっとりと張り付いた。たらりと、キラの背中に汗が伝った。
「……君の頭脳をお借りしたくて」
「それがメインですか」
ラクスは小さく笑いを零した。隠し事ができない人が、近くにいた経験が少ないラクスにとって、素直に何でも言ってしまうキラが可笑しかったのだ。
「なに、笑ってんのさ」
ラクスの様子に機嫌を損なったのか、ムスッとキラは頬を膨らました。
「ふふ。…すみません、キラ。わたくしなら、構いませんよ」
「ほんと?!なら、迎えにいくからね」
ムスリとした表情からぱぁっと明るい表情に変わり、ラクスはまた笑い声を上げた。
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