§Secret§
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だいたいは、予想通り。
アスランはわたくしを待ち伏せしていた。彼の性格から、じっとしていられないことは熟知していたから―――待ち伏せは、想定範囲内のことだ。わたくしはニッコリ微笑めば、彼は眉間に深いシワを寄せて腕を組んでいた。
「…おはよう、ラクス」
声が少し重たい。きっと、徹夜で考えこんで―――そしてわたくしに会いに来ることを決めたのだろう。容易に想像がついた。
「――君のことだから、すべてお見通しなんだろう。……俺が此処に来た理由」
「はい?なんのことだか……」
素直に肯定するのも釈だから、はぐらかす。彼は真っ直ぐだから、怒ったような表情になった。
「…どういうことですか、ラクス―――あの子はっ…」
わたくしから話しを持ち出すことはないとわかったアスランは、単刀直入に聞いてきた。
「…あの容姿っ。あれは、紛れも無いキ「お黙りなさい、アスラン――それ以上は口にすることは、許しませんわ」
ピリピリとした空気が二人を包んだ。ラクスの穏やかな瞳は、冷たい氷のようだった。
「貴方に、それを語る資格はないのです。本家に口出すことは、たとえ貴方でも罰せられる」
「……ッ!」
サーッとアスランの顔色が青ざめていく。アスランは直ぐに、唇を噛み締め息を呑んだ。
ラクスはその様子を顔色一つ変えずに見つめていた。しばらくして、アスランの様子に満足したラクスは力を抜きいつものような穏やかな瞳に戻した。
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