§Secret§
□§Secret§
4ページ/6ページ
○●○●○●○●○
「ではウィル、わたくしは病院に行きますわね。今日からは、わたくしも本宅で過ごそうと思っていますから」
ホテルのエントランスで、見送りに来たウィルの頬にラクスは軽くキスをすると、ニッコリと微笑んだ。
「‥‥うん!速く帰ってきてね、ラクス」
ウィルもラクスの頬にキスを送ると、ラクスに強く抱き着いた。
「ええ、わかっていますわ」
ラクスもウィルを優しく抱きしめ返すと、迎えに来ていた車に乗り込んだ。
車の揺れに、身を任せながら、ラクスはこれからのことを考えていた。ウィルが外に出てしまった以上、アスランに気付かれてしまっただろう。ウィルがキラの子だということを。彼のことだから、今日か明日あたりに訪ねてくるだろう。だが、キラに知られてしまうわけにはいかない。
少し酷かもしれないが、クラインの力で彼を押さえ付けなくては。
彼には悪いと思うけれど、キラに知られてしまうほうが恐い。
―――――――――
「ありがとう、じゃあ夕方またいらして下さい」
病院の裏口につき、車を降りて入口を目差す。正面はなにかと目につきやすいから、用心の為。
入口まで歩いて、電子ロックにパスワードを打つ。そのまま、外科階まではエレベーターで。
エレベーターをおりると、見知った色が目についた。
「……おはようございます、アスラン」
.