§Secret§
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Episode.]<圧力>
朝日が、ウィルに容赦なくあたり、ウィルは寝返りをうつ。
昨夜の疲れが思った以上に残っており、ウィルは目を開けるのを拒む。
「――――まぁ、お寝坊さんですこと―…いつまで寝ていらっしゃいますの?」
ベットに潜り込んでいたウィルに、爽やかで心地良い声が聞こえ、ウィルはうっすらと瞳を開く。
そこには、蒼穹の瞳を慈愛に満ち溢れたラクスが立っていた。
ちょうど朝日がラクスにあたり、まるで―――
「輝く日の宮みたい――」
うっとりと、自然に出された呟きに、ラクスは目をまるめた。
「『輝く日の宮?』――まぁ、それはなんですの??」
聞いたことのない言葉に、ラクスは首を可愛らしく傾げる。
「習ったの―――ニッポンって国の1番古い小説に出て来るの―――でも、ラクスのほうが、絶対美人だよっ!!」
歯をニカリとだしながら、屈託のない笑いで、嬉しそうに話すウィルに、ラクスはますます笑みを深めた。
「まぁ、女性を喜ばせるのが、お上手ですこと――さっ、今日もやることがたくさんありますのでしょう??何時までも、寝ていられませんよ」
ラクスは、口元に手を添えながら笑うと、ウィルから布団を引っぺがえす。
「――僕の父様も……そうだったりしてね」
暖かな雰囲気が、ウィルの一言で一変した。
ラクスの顔の筋肉が、一瞬にして固まり―――いつも透き通っていた蒼い瞳が、濁った。
「っ……ウィル、なにを―――」
唇が震える、上手く話せない。
ウィルの顔が――見れないっ!
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