The world of despair

□The world of despair
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act.11《古記と香水》







ピッ…ピッ―――




定期的に電子音が、部屋に響く。
部屋には、かなり大きい人が軽く3人は入ることができそうな太くて大きい試験がいくつもあった。試験管の中には、薄水色な液体が入っていた。それと、空気を送るためにあるマスクとコードが何本か。





そして、ある一体が淡い光を持っていた。



その試験菅には、抑制剤や自白剤…キラたちからうけた傷でボロボロになったアウルが入っていた。酸素は口から鼻まできっちりとつけたマスクから。コードは、頭や、体の至る所に貼られていた。






電子音の他に、呼吸する音やぶくぶくと空気を吐き出す音も聞こえ生きていることが伺えた。







ピッ…ピッ、ピーーーッ




やがて、電子音が止まると試験管の中の水が引いていきすべて引き終わると鈍い音をたてた。







ガーーっ




その音ともに、試験管は二つに割れ上下についてある機械にまるで吸い取られるようになくなった。






「……アウル、体は?」


機械を操作していたのは、闇を纏ったクイーン。クイーンの声に反応したのか、目を固く閉じていたアウルがゆっくりと開いた。






「……大丈夫、完全復活」



副作用でフラフラになっていたアウルとは見違えるように、すっきりとした声。



傷だらけだった体には、傷一つ見受けられない。まるで、あの闘いがなかったことだったかのようだ。濡れた体をタオルで丁寧に拭いていくアウル。女王はその姿を一瞥すると、無言のまま出て行った。






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