The world of despair

□The world of despair
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act.10《奪還》




薄暗い部屋の中、汗がポタポタ落ちる音がやけに響く。

体からは汗が吹き出し水分を奪っていく。




[っは――はぁ‥!]




「凄いですね、どれほどの訓練をうけてきたのか……」


アウルが隔離されている部屋は、隣にある部屋から監視できるようになっていた。


もちろん、アウルからは特殊のガラスな為そんな部屋があるのは見えない。




部屋についてあるスピーカーから、アウルの上がった息遣いが聞こえてくる。
気の放出を抑える薬と、自白剤。



それを幾度となく打たれているのにもかかわらず、アウルは何も喋ろうとしない。




その様子を学者達と共に見学していたキラ達は、その様子に眉を寄せた。
想定範囲内のことだが、アウルの手強さに歯噛みする。





気の放出を抑える薬の副作用は、かなり体に負担がかかり尚且つ自白剤も作用し意識も保つのも難しいはずだ。



それに堪えるのは並大抵の精神力では、不可能だろう。




そのことから、戦闘タイプのコーディネーターとやらは想像もつかない程の訓練を積んできていることが分かった。





「…24時間、監視を外すな。監視するのは、将校クラスの者を―――最低3人で」


キラは学者に言い付けると、ベットでぐったりしているアウルを見つめた。





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