NO NAME

□Y-V
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――ホントに躯だけは最高だよ。






『…っっ!!』




耳に残った言葉が頭に響き、ラクスは目を覚ました。胸に傷一つ無いのに悲鳴を上げそうになった。しかし喉からは掠れた声にならない音しか出ない。


目を開けたラクスは乱れた息を胸に手をあて整えながらゆっくり起き上がった。




シュルリと肩からシーツが滑り落ち、素肌がこぼれる。


寝室を見回したラクスは先程まで自分を翻弄していた夫の姿が見当たらないことに気づいた。いつものこと、だと解っていても、傷む心を抑えられない。










『…し、ホ』




喉が渇いた。嬌声ばかりを紡いでいた喉は渇き痛みすら感じる。いつもならシホが飲み物を持って来てくれるのに、その姿もない。



買い物にでも行っているのか、と考えながらラクスはベッドから降りた。








『っあ』





立ち上がるとお腹の奥にあったものが、脚を伝った。その正体に羞恥を感じるほどラクスは初心ではなかった。



夫の言う愛し合う行為の果てに胎内に残されるソレは、決して実を結ぶことなく胎外へと追い出され清められていく。






流れ伝う感触は不快だったけれど、ラクスは自分の欲求に忠実だった。




とにかく喉が渇いているのだ。





厨房に行けば何か飲み物があるはずだ、とラクスは覚束ない足取りで寝室の扉を開けた。










『――あれ?起きたの?』





『‥‥‥』





寝室の先は夫用の居室だ。


寝室だけを共有する形で部屋が構成されているのに、ラクスは間違って夫の部屋へと続く扉を開けてしまったらしい。




どこからか戻ってきた様子のキラはシャツのボタンを数個を寛げ、片手には瓶を持っていた。








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