NO NAME

□V-U
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風呂から上がったラクスは、ベッドの上でぼんやりとしていた。




躯のあちこちが筋肉痛で、何にもする気になれず、ベッドの上でシホの世話を大人しく受ける。












一週間、寝る時間も碌に与えられず夫に抱かれ続けたせいで、睡眠を貪りたいのが本音であった。





風呂も着替えも食事も、何もしたくない。









しかし、汗と体液で躯はべたついて、気持ち悪かった。









気持ち悪い、と一言呟いただけで、優秀な使用人のシホは、ラクスを浴室へと運んだ。







何もする気になれなくても、実際、ラクスのすることはない。








ただ浴槽に浸かって、あれこれ世話をしてくれるシホに逆らわなければいいのだ。

















「………キラは?」









紅茶を飲みながら、ラクスは、丁寧に髪を梳かしているシホに尋ねた。












「キラ様は急なお仕事で、本邸へお出かけでございます」








姿が見えない夫を頭に思い浮かべ、そう、と小さく返事を返した。














「――そういえば、アスランが来たの?」





「ええ、昨日お越しになられました」





「‥‥きの、う?」











ラクスは首を傾げた。







キラがアスランの名前を出したのがうっすらと記憶に残っているのだが、どうも時間の感覚が一致しない。









ほんのちょっと前に言っていた気がする。















「……ねぇ、今日は、いつ?わたくしが最後に出かけて、戻って、何日経っているの?」








どうも、はっきりしない。




詐欺の親玉の屋敷に忍び込んで、衣装箱に閉じ込められ、それで。







そこからの記憶が、あまり、ない。











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